
オール電化のご家庭に欠かせない、お湯の頼れるパートナー「エコキュート」。
毎日当たり前にお湯を使っていると忘れがちですが、実はエコキュートも他のお掃除箇所と同じように定期的な「お手入れ」が必要な設備です。
ところで最近、お客様からこのようなご相談をいただくことが増えてきました。
「突然、聞き覚えのない業者から『近所でエコキュートの無料点検をしています』と訪問があったけれど、これって怪しいの?」
中には善意でされている業者もあるかもしれませんが、
こうした突然の訪問や電話で不安を煽る「点検商法(悪質勧誘)」が全国で問題になっています。
不安に付け込まれるのは本当に悔しいですよね。
こうしたトラブルから身を守る最大の対策は、「住まい手であるあなた自身が、正しいお手入れと点検の方法を知っておくこと」です。
自分自身でエコキュートの状態を把握していれば、突然怪しい業者が来ても、
「うちのエコキュートは、いつも自分でしっかり点検・水抜きをしているので大丈夫です!」
と、自信を持ってキッパリ断ることができるようになります。
今回は、三菱製エコキュートの取扱説明書をベースに、一般のお客様でも今日からすぐにできる簡単なお手入れ・点検方法をプロの目線で分かりやすく解説します。
正しい知識を身につけて、不要な不安を解消し、エコキュートを安全に長持ちさせましょう!
ひと目でわかる!お手入れスケジュール
まずは「いつ・何をすればいいの?」を整理しました。カレンダーやスマートフォンのカレンダーアプリに登録しておくのがおすすめです!
| 頻度 | お手入れ・点検内容 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| 日常(こまめに) | ・浴槽アダプターのフィルター掃除 ・リモコン、外装ケースの拭き掃除 | お風呂の清潔キープ、湯はりトラブル防止 |
| お湯が出にくい時 | ・給水ストレーナのゴミ詰まり掃除 | 給湯スピードの維持、湯はり時間短縮 |
| 年に 2〜3 回 | ・貯湯タンクの水抜き(水あか排水) ・逃し弁の動作点検 ・漏電遮断器の動作確認 ・配管の水漏れ ・保温材チェック | タンクを清潔に保つ、故障の早期発見、安全性の確保 |
| 汚れが気になる時 | ・ふろ配管の循環洗浄 | 追いだき配管を清潔に保つ |
| 3年に1回 | ・プロによる定期点検(有料) | 内部部品の摩耗チェック、重大な故障予防 |
それでは、具体的な手順を詳しく見ていきましょう!
1. 【日常】お風呂を快適に!浴槽アダプターのお手入れ
お風呂の中にあるお湯の出口(浴槽アダプター)には、湯アカや髪の毛が詰まりやすいフィルターがついています。ここが目詰まりすると、「追いだきができない」「自動湯はりが途中で止まる」といったトラブルの原因になります。
お手入れ手順
- フィルターを外す
- フィルターを持って、左に回して手前に引くと外れます。
- 水洗い&歯ブラシでゴシゴシ
- フィルター全体を水洗いします。
- 網目に詰まった細かい汚れは、古くなった歯ブラシなどを使って優しく取り除いてください。外面だけでなく、内面(裏側)もしっかり洗うのがポイントです。
- 元の位置にカチッと取り付ける
- フィルターの上下(向き)を確認します。
- アダプターとフィルターの「△マーク」同士を合わせてはめ込み、右に「カチッ」と音がするまでしっかり回します。
アダプターが取り外しができないタイプもあります。
その場合は外さずに、シャワーをかけながら歯ブラシで表面を優しくこすって汚れを落としてください。
フィルターの取り付けが緩いと、運転中に外れてケガや故障の原因になります。
また、誤った位置で無理やり取り付けて外せなくなってしまった場合、修理は「有料」になってしまいますので、必ずゆっくり丁寧に行ってくださいね。
2. 【お湯の出が悪い時】給水ストレーナのお手入れ
「なんだか最近お湯の出が悪いなぁ」「お風呂にお湯がたまるのが遅いな」と感じたら、配管の途中にある「給水ストレーナ(フィルター)」にゴミが溜まっている可能性があります。
お手入れ手順
- 脚部カバーを外す(付いている場合)
- 「給水配管専用止水栓」を閉じる
- 水の流れを一時的に止めます。
- 「逃し弁のレバー」を手前に起こす
- 操作窓の中にある逃し弁のレバーを起こして、配管内の水圧を抜きます。
- ストレーナを外してゴミを取り除く
- 手やコインなどを使い、ストレーナを左に回して外します。
- 歯ブラシなどでゴミをきれいに取り除きます。
- ※配管内に残った水が少し飛び散ることがありますので注意してください。
- 元に戻す
- ストレーナを取り付け、逃し弁のレバーを元に戻し、最後に「給水配管専用止水栓」を開きます。
3. 【年2〜3回】タンクの寿命を延ばす!貯湯タンクの水抜き
エコキュートのお手入れで最も重要と言っても過言ではないのが、この「貯湯タンクの水抜き(点検)」です。
実は、水道水に含まれるわずかな微粒子やカルキが、長年かけてタンクの底に「水あか」として沈殿していきます。
これを年に数回、底からサーッと洗い流してあげる(排水する)ことで、タンク内を美しく清潔に保つことができるのです。
貯湯タンクの水抜き手順(所要時間:約5分)
- 電源レバーを「切」にする
- 貯湯ユニットの操作窓を開け、電源レバーを下げて「切」にします。
- 「給水配管専用止水栓」を閉じる
- 「逃し弁レバー」を手前に起こす
- これで空気の通り道を作ります。
- 「排水栓」を開く(約1〜2分間)
- 排水栓を開くと、タンクの底に溜まった水あかが排水口(排水ホッパー)から流れていきます。
- ※排水ホッパーから水が溢れないよう、排水栓の開き具合を調整してください。
- ⚠️ 警告:非常に熱いお湯が出る場合があります。絶対に直接手で触れないでください!
- 排水栓を閉じる(1〜2分経ったらしっかり閉めます)
- 止水栓を開く
- 「給水配管専用止水栓」を開き、排水口から勢いよく水(またはお湯)が出るまで少し待ちます。
- 逃し弁レバーを戻す
- レバーを奥にパタンと戻します。
- 電源レバーを「入」にする
- 電源を戻し、操作窓とカバーを閉めて完了です!
4. 【年2〜3回】安全のための「機器動作チェック」
タンクの水抜きとセットで行いたいのが、安全装置の動作チェックです。
「万が一」のときにしっかり動いてくれるか確認しましょう。
① 逃し弁の点検(水漏れと動作確認)
エコキュート内の圧力を逃がす大切なバルブです。
- 動作点検:逃し弁のレバーを手前に起こし、排水口からしっかり水(お湯)が出るか確認します。
- 水漏れ点検:レバーを元に戻したあと、排水口から水が漏れ続けたり、シューシューと流水音がしていないか確認します。
- ※もし水が止まらない場合は、レバーを数回動かしてみてください。それでも止まらない場合は、当店(工務店)までご連絡ください!
② 漏電遮断器の点検
電気のショートや漏電が起きた際、瞬時に電気をカットする命を守る装置です。
- チェック方法:テストボタンを「ポン」と押してみます。電源レバーが自動的に「入」から「切」へパチッと落ちれば、正常に機能しています!
- 確認後:必ず電源レバーを手動で「入」に戻し、操作窓を閉めてください。
「点検無料」の甘い言葉に要注意!
悪質な訪問業者は、「今だけ点検無料」「今すぐ交換しないと破裂する」などと極端な表現で危機感を煽る傾向があります。
もし突然の訪問を受けて不安になったら、その場ですぐに契約や点検の合意をせず、一旦お引き取りいただき、まずは家を建てた工務店や信頼できる販売店にすぐお電話ください。
まとめ:愛着を持って、長く快適に使いましょう!
エコキュートは、決して安い買い物ではありません。だからこそ、ちょっとしたお手入れを習慣にするだけで、長く元気に働いてくれるようになります。
「今度の週末、ちょっと水抜きやってみようかな」 そう思っていただけたら嬉しいです。
もし「自分でやるのは少し不安…」「カバーの開け方が分からない」という場合は、いつでもお気軽に当店までご相談ください。
